銀行システム刷新失敗の責任は?(法務)

スルガ銀行は2000頃に基幹システムの刷新を計画、日本IBMがそれを受注した。
でもね、まず業務の流れを洗い出して、問題点を整理する「要件定義」というステップから難航、全然うまくプロジェクトが進まなかった。
結局スルガ銀行は2007年に開発契約を解消、翌年にIBMを訴えた。
一審の東京地裁は「IBMは確かに開発者としての管理義務を果たさなかったね。(開発費のほぼ全額にあたる)約74億円支払いなさい」とスルガ銀行の全面勝訴の判決。
でも二審の東京高裁は「30億円でやった要件定義の段階では、スルガ銀行にもリスク分析が求められるから、IBMだけが悪いとは言えないね。それ以降の42億円を払いなさい」といつ判決。
で、結局互いに上告して結論は最高裁で争われるんだけど、高裁で出てきた新しい概念「開発者の中止提言義務」、つまり「あー、これ無理だな」と思ったら依頼主に提言する義務ってのが示されたから、それをどう見るかってのが焦点になるね。


■カミクダキストのつまりそういうこと?
「中止提言義務」って、理想としては正しいんだけど、いざ現場にいるとなかなかギブアップはできないもの。
でもそれが義務となると、どう振舞っていいものかねえ。
最高裁の結論は今後のプロジェクトにも影響するよ。
(tj)